君とみたあの夏の流星群。
「それじゃぁ、海外で治療を受けるって話は?」
「うん、その話なんだけど。俺、あれから、星祈の病気のこと何度も調べて、補助人工心臓のことを知ったんだ」
「補助人工心臓…?」
「うん、補助人工心臓は、簡単に言うと、心臓移植が受けられるのを待つ間、心臓の動きを助けてくれるらしいんだ。
海外では、補助人工心臓の手術を受けて、何年後かには心臓移植の手術を受けて、病気が完治した。っていう実例が多くある」
「……私の病気が治るかもしれないってこと?」
「うん、笹木先生も海外で治療を受けてた方が可能性は高いって」
病気が完治するかもしれない…。
「でも、もし、海外で治療を受けるとしたら、星祈は1人で行くことになるし、長期入院になるらしい」
「………」
知らない場所で治療を受ける。
碧都にも、お母さんにも、瑠奈ちゃんも一之瀬くんも結城くんも……
みんなにはすぐに会えないってことだよね?
そんな環境で耐えられるかな、私……
碧都が不安になる私の両手を包み込むようにして、握る。
「星祈は1人じゃないよ」
碧都は真っ直ぐ、私の目を見て言う。