君とみたあの夏の流星群。

それにしても……

樹の奴、戻ってくるの遅いな。


自販機でジュースを買ってくるといって、どこかへ行った樹は、15分経っても戻って来ない。


あっ。


グランドの奥の方から、樹が走ってくるのが見える。


「碧都、悪い待たせて」


でも、自販機に行ったはずの樹の手元には何もない。


「別に待ってたわけじゃないけど、何してたんだよ」


「悪い、七瀬さんを保健室まで連れて行ったんだよ」


「それ、どういうこと?」


「そう、なんか、体調悪そうにしてたから、少し強引に連れていった。あっ、先に謝っとく。ごめん!
俺、七瀬さんに肩回し───って、碧都?!」


星祈が今も保健室にいるかどうも分からないのに……

樹の話を最後まで聞く前に、俺は、体が勝手に動いていた。

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