君とみたあの夏の流星群。
□□□


「……はよ」


私と同じ学校の制服の淡いグレー色の学ランを着て、肩にカバンをかけて、スマホをいじりながら、待っている彼の姿がある。


いつもより、低めの声に、起きたばかりのせいか、いつもは、綺麗にセットされているサラサラの黒い髪は、今は、無造作にセットされている。


スっと鼻筋の通った高い鼻に、パッチリとした二重の切れ長の目はまだ、眠そうにしている。


そんな眠そうな彼は、隣の家に住んでいる。


私の幼なじみの皐月(さつき)碧都(あおと)。


幼い頃に病気でお父さんを亡くしてから、お母さんは仕事漬けの毎日で、
私は、よく、隣りに住む碧都の家にお世話になることが多かった。


「おはよう」と、返せば、碧都は眠そうな目をクシャとさせて、微笑みかけてくれる。


「……ん、行こ?」

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