君とみたあの夏の流星群。
「………」
恥ずかしさでテンパる私とは反対に、碧都は、無言でスっと椅子から立ち上がった。
碧都はその場から逃げようとするものの、お母さんの無言の圧力を受けて、座らせられる。
碧都、ごめんね?と、心の中で謝っておく。
私も出来るなら、恥ずかしいからこの場から逃げ出したいよ…。
また、1ページとお母さんはアルバムをめくっていき、私もお母さんも1枚の写真に目が止まる。
お母さんは、少し悲しそうに、でも、どこか懐かしむような顔をして、1枚の写真を指さした。
綺麗な無数の星空の下、流星群が降り注ぐ中……
私は、お父さんに抱きかかえられて、写真の中で笑顔を浮かべている。
「星祈は、覚えてる? 」
「うん、もちろん、覚えてるよ!」
忘れるはずがない……
亡くなったお父さんとの最後の思い出だから。