君とみたあの夏の流星群。

不意にお母さんは時計を見て、


「あっ、碧都くんは時間は大丈夫かしら?」


いつの間にか、リビングにある壁掛け時計は、21時を指している。


「じゃぁ、俺、もうそろそろ帰ります」


「そう?ごめんなさいね、引き止めちゃって。ほら、星祈、碧都くん、見送ってきて」


「えっ、う、うん」


お母さんに言われて、私は、碧都を見送るために、外に出る。


見送るといっても、碧都の家は私のすぐ隣で、数メートル程の距離しかない。


「ねぇ、星祈さ、さっき何か言いかけなかった?」


さっきの声聞こえてたんだ……
どうしよう、聞けるチャンスだけど、さっきの勇気はもうない。


「あっ、えっと……」

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