君とみたあの夏の流星群。

そんな私にコソッと瑠奈ちゃんが耳打ちをする。


「(ねぇ、サプライズ良かったでしょ?)」


「(ど、どういうこと?!)」


「(実はね、一之瀬に浴衣を着てくるように伝えておいたんだ。
だから、強制的に皐月くんも浴衣を着ないといけなかったってこと)」


そう言いながら、ニヤニヤと瑠奈ちゃんは、意地悪く微笑んでいる。


瑠奈ちゃんのサプライズってこういうことだったなんて……


そう言われると、ますます、碧都の顔をチラチラ見てしまう。


「……あ、碧都も浴衣着てきたんだね」


「……うん」


あれ?


何か、碧都の態度が、いつもより素っ気ないというか……


それに、碧都も私のことを見ようとしない。


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