きみは俺だけの彼女

……。

俺の彼女役になりたくない、という言葉を思い出した。


これは……
マジで俺のほうが泣きたくなる状況なのではなかろうか……。


それでもはっきりさせたかった。



「雪姫はなんて言ったの?」

怒るでもなく普通に聞いたつもりなのに、雪姫が更に泣きじゃくった。


………。


「私……。
空人が意地悪く、聞くから上手、く言えなくて、それで…」



どういう意味だ?
すぐに理解しようと頭の中がフル回転し始めたが……。



「そうだ。空人が悪いんだよ」

パッと顔を上げた雪姫が"空人が悪い"と決めつけた。


呆気にとられたが、涙は少し落ち着いて、いつもの雪姫の表情に戻っていたから自分が何を考えてたか忘れた。

< 103 / 263 >

この作品をシェア

pagetop