きみは俺だけの彼女

「そうだな。元を正せば空人が委員会なんか行ったせいで俺らが帰る時間遅くなったんだしな。」


「そ、そうだよね!」


雪姫が同意を求めて俺のほうに振り向いた。



瞬間、目が合う。

そして雪姫が顔を真っ赤にさせて俯いた。


「ご、ごめん。こんなに泣くと思わなくて。私の顔、ヒドいよね」



……。


泣き顔を見られて恥ずかしくなったのか?
それとも……?


「ヒドくないよ。でも次、泣くときは俺が胸貸すから」



わざと茶化してみた。
雪姫の反応が気になったから。


「し、嶋村くんもそういうこと言うんだね。空人みたい」

「いや、空人は誰にでも言いそうだけど、俺は雪姫にしか言わないよ?」

「……」



真っ赤な顔の雪姫が唖然とした顔で俺を見たから、自分が咄嗟に何を言ったか思い出す。


「あー…今のは本心だけど、出来れば泣き顔より笑顔が見たいかな」

「………」

「………」

言い慣れないことを言った自分が恥ずかしくて誤魔化すように言ったのに、更に墓穴を掘る羽目になった……。


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