きみは俺だけの彼女



「雪姫に声をかけたのは海人の友達だったのね…。思わぬところでチズに助けられるとは……」


「ちず?」


なんのこと?と小首を傾げて奏波嬢を見る雪姫が可愛い…。


「私が勝手にそいつをそう呼んでるだけ」

何事もないように返事をするお嬢。



雪姫だけが知らない単語…略語?
お嬢が命名した" チズ "は海人の複数の友達。

ともだち複数 → 友達's → ダチズ → チズ

お嬢がそう言い出したから俺と空人はそう呼んでいた。



兎に角、お嬢命名"チズ "とは、かなりの数がいて把握しきれない。



中学の時から雪姫と奏波嬢はテスト期間になると勉強会をする。


二人でその時その時で店を変えてたらしいが何故か毎回のように海人が現れた。


途中から空人が一緒に参加するようになり、お嬢は空人が海人を呼んでるのかと思ってたらしいが違った。



空人曰く、
海人の沢山の友達が雪姫を見かけるとどこにいるのかメールで知らせてくれるシステムが出来上がっているらしい。


有益な情報には海人からノートの写しや助っ人の人材派遣、食券等などの見返りがあるから成し得るシステム。


ストーカー紛いの海人に怒り心頭のお嬢だが、雪姫を見守るということで渋々怒りを堪えてた。


今回は、その" チズ "のお陰で雪姫は難を逃れたのでお嬢としては複雑なのだ。




見守られてる雪姫はそんな存在すら気付いてない。

< 106 / 263 >

この作品をシェア

pagetop