きみは俺だけの彼女
「雪姫、一緒に帰ろう〜。今日はマック寄って勉強やろ〜」
「本当に勉強する気あるの?」
笑いながらスマホを取り出した。
そのとき、廊下から名前を呼ばれた。
「雪姫、帰ろ〜」
空人が呼んでいた。
「はぁ?雪姫は私とマック行くの!」
「じゃあ俺も行く」
「止めてよ。あんたが来たらのんびり出来ないじゃん」
「えー?俺がいないと、かなみんは困るんじゃない?すぐナンパされるんだから」
「……次かなみんって呼んだら、あんた坊主頭にするわよ」
「え〜?じゃあ奏波嬢、俺とマック行こ」
「それじゃ奏波と空人の二人で行ってきなよ」
いつものやりとりに笑いながら提案する。
「ダメ」
「ヤダ」
二人同時に拒否られた。
……イケメンと美人。
たまには二人の引き立て役から降りたいんだけど……。
それでも、今の私には大切な二人。
学校中の女子に疎まれても、今はこの二人がいてくれるから。