きみは俺だけの彼女

「どうしたの?」



3人が無言で各々考え込んでいたから誰も雪姫が戻ってきたことに気付かなかった。



「あのね、雪姫」

すぐ様、奏波嬢が雪姫に声をかけた。



「この4人で雪姫の誕生日会をやりたいんだけどいいかな?」


突然の提案だった。


「え?わざわざそんなのいいよ」

雪姫は当然びっくりしたが、俺も空人もびっくりした。


「……毎年そう言って何もさせてくれないから今年は4人で、と思ったのに?」


しおらしく雪姫に懇願する奏波嬢。
演技なのは分かるが…なぜか恐い…。


「で、でも、誕生日は平日だし…」
「だからその前の土日辺りにお祝いしたいんだけどダメ?」



その前の土日…
今度の土日!?



「そんな、急になんで?」

「私が遊びたいから♪」

奏波嬢の素直過ぎる返しに雪姫は笑った。

雪姫に頼むより自分が遊びたいから誕生日会をやろうと提案するとは……。

さすが、奏波嬢。

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