きみは俺だけの彼女


「…空人、雪姫(ゆき)の邪魔すんなよ」

声が聞こえたので見上げると、海人(かいと)がコーヒー片手に立っていた。



海人は私と同級生の幼馴染みで空人の兄。
私と同じ弓道をしていた陸人が長男。
宮田家の陸海空3兄弟の次男が海人。

ちなみに海人は男子校に進学してる。




「雪姫の学校、今どこら辺やってんの?」

教科書を覗き込みながら私の正面に座る海人。
いつも何も言わなくても海人は勉強を教えてくれる。



「海人!私の席取らないでよっ!」

私の髪をコテで巻いてる途中の奏波が怒るけど海人は無視してそのまま私のノートを見る。

「海人の友達、あっちでしょ!あっち行きなさいよ!」


奏波の声であっちを見ると、海人の友達が少し離れた席にいた。



「雪姫の勉強見てんだよ。勉強しないならお前が向こう行けよ。有名な男子校の彼氏作るチャンスだぜ?」


「はあ?あんたの友達(ダチ)なんざ、たかが知れてるわ」



……奏波、口調が怖いってば……
空人と話す時より、海人と話す時はすぐに喧嘩腰になる奏波。

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