きみは俺だけの彼女



前回と同じ、コテージという名の別荘に着いたのは20時前だった。



着いてすぐ私と奏波は前回は遠慮して入らなかった温泉に二人で入った。



温泉から出て来るとリビングにいた空人が入れ代わって温泉に向かう。

奏波は部屋に戻ってお肌のお手入れ。

私はそのままリビングのソファに座って外を眺める。




広いリビングと目の前の広い庭。

ガラス張りだから庭とリビングが繋がった一つの空間に思える。




その中に私一人がポツンと座る。




目を閉じて無心になるとすぐに道場を思い出す。



嶋村くんの後ろ姿をいつも見てた頃。



まさか、嶋村くんが隣に座る日々が来るなんて思ってもいなかったな。



嶋村くんを忘れようとしてたのに。

今は毎日嶋村くんの事を考える。




……嶋村くんもこんな風に思う相手がいるのかな?


< 130 / 263 >

この作品をシェア

pagetop