きみは俺だけの彼女
「雪姫」
うっすらと浮上した意識の中で声を聞く。
聞き慣れた声で目が覚めた。
そこには優しく微笑む薫さんがいた。
「少し食べて薬飲んで。そしたら寝てていいからね」
「…ありがとう薫さん」
私が起き上がると「じゃあ洗濯してくるね」と部屋を出ていった。
見ればテーブルには卵でとじたうどんとお水、薬が置いてあった。
言われた通りにうどんを半分だけ食べて薬を飲んだ。
今は体調回復が第一だから。
でも、布団に入っても寝られなかった。
嶋村くん……。
そして、空人と海人。