きみは俺だけの彼女

頷いてわかった。

佐藤のさっきの言葉。

全部理解したとは思ってない。




でも。



「ありがとう佐藤。話してくれて。私、ちゃんと海人と話してみるよ」


少しだけ、自分がどうしたらいいのか見えた気がしたから。




「この前、陸兄にも同じようなこと言われたよ」

「陸人さん?マジで?俺、陸人さんレベル?」

「いや、そこまでは言ってない」




勝手に陸兄レベルと喜ぶ佐藤の横で振り返って空人と目が合う。



空人が寂しそうな顔で、それでも私に笑いかけてくれるから……。



私から空人に抱きついた。



「空人ごめん。今日は奏波に話があるからお昼も……帰りも奏波と帰るから」

「……分かった」



私を抱き止めた空人は頭を撫でながら呟いた。



空人から離れて俯いたまま嶋村くんにも声をかけた。


「嶋村くんもごめんね」


そして先に教室へ戻った。




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