きみは俺だけの彼女



「おはよう奏波」

「おはよ雪姫。もう熱は大丈夫?」



いつものように真っ先に私を心配してくれる奏波。

思わず抱きついた。



「どうしたの?まだ熱があるんじゃ?」

「違う。大丈夫だよ」

奏波から離れて精一杯笑おうとする。
油断すると泣きそうになる。



「奏波、今日、私に奏波の時間をくれないかな?今日中に色々話を聞きたくて」

「それは良いけど……今日中?」

問い返された時、視界の隅に佐藤と嶋村くんが教室に入ってきたのが見えたから思わず俯いて小声で話す。



「うん。放課後にお願いしたいことがあって……空人と嶋村くんには話せなくて……」

「わかった。そのまま動かないでちょっとここで待ってて」



何かを察してくれたのか、奏波がすぐに行動に出てくれた。



「嶋村っ」

突然奏波が嶋村くんを呼ぶから思わずビクッとする。

でも奏波は嶋村くんの方に行って話しだす。



「……何?」

「1限目、自習だから今から雪姫と抜けてくる。先生に聞かれたら雪姫が調子悪いとか適当に言っといて」

「……わかった」

そう言って戻ってきた奏波と教室を出た。



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