きみは俺だけの彼女


というよりも、それより肝心なこと。



「と、とにかく、まずは彼女にならないと……だよね……」

「……雪姫、さっきの話の流れだと、告られてから嶋村と話してないんだよね?」

「うん……」

「だったら早めに言わないと嶋村は振られたと思っちゃうよ?」

「え?」

「雪姫。嶋村の立場で考えてあげなよ」

「………?立場?」

「好きな子の周りには幼馴染みのイケメンが何人もいるのよ?付き合いの短い自分がイケメン達に勝てると思う?」

「………」

「振られる覚悟がなきゃ告白なんてしないと思うけど?それで告白したのに無視され続けたら雪姫ならどう思う?」




そうだ。

告白されたんだ。




嶋村くんは告白した時に言ってた。

"それまでは近くにいること、許してくれる?"って。




頷いて許したはずなのに、私、嶋村くんから離れてるんだ……。

返事出来なくて気まずいと思ってるだけでも、嶋村くんからしたら無視されてるのと同じなんだ……。



こんなの、返事聞かなくたって振られたと思われても仕方……ない……。




そう思ったら今朝の嶋村くんを思い出した。

佐藤に声をかけたのに
私には声をかけてくれなかった
私は空人に抱きついたのに、嶋村くんには"ごめん"しか言わなくて……
嶋村くんは何も返事してくれなかった……。



こんなの、私が空人を選んだと思われても仕方ないんじゃ……?





そう考えたら、頭が真っ白になった。



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