きみは俺だけの彼女




久しぶりに来た弓道場。




意を決して戸を引いた。



途端に聞こえてきたカッと甲高い弦音(つるね)の音。



胸の鼓動がうるさくて、壁を背にして深く息を吸い込む。



壁の端から射場をそっと覗き見た。





途端に思い出す記憶。





そうだ。

あの時、私は一目惚れだったんだ。






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