きみは俺だけの彼女

「空人、結局お前は去年何をあげたんだ?」

「え〜それ聞いちゃう?」

「いいから言え。お前とカブりたくない」

「それなら平気。多分カブらない」

「なんだよ。勿体ぶって。お前のも宝箱行きか?」


あまりにも頑なに言いそうもないから適当に言っただけだったが。



「……雪姫のバッグ。黒の小さい手さげバッグ」

……雪姫の?黒の小さい手さげ……
あぁ。常に持ち歩いてる簡素な使い勝手の良さそうなバッグ。

「それ」


ニヤリと勝ち誇る空人。


「……あれか……。なるほどな。カブらないな」

聞かなきゃよかったという敗北感……。



「雪姫の懐事情を見ればそれくらいはね。俺は常用してくれそうな安価な物を選んだだけだよ」

そりゃ、雪姫の家を自分の家のように行き来してた奴には当たり前だろうがな……。


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