きみは俺だけの彼女



さすがに偶然では済まされないか……。




物思いに耽っていたらそれなりの時間が過ぎてた。

風呂の後に4人でビリヤードをやる予定なのでリビングに向かう。




そこには雪姫がいた。




一人掛けソファで体育座りのまま足も手も頭もぎゅっと寄せて小さくなってる雪姫。

……座ったまま自分自身をきつく抱きしめるような姿。



最初は偶然だった。

二度目はたまたま雪姫がうたた寝してた。

でも、3度目となると偶然でもなんでも無い。




雪姫は暖かい部屋にいるよりも、広く寒気のするような場所で、ぽつんと身体を小さくしているのが好きなようだ。



一体いつから雪姫はそうするようになったんだ?



他人がすぐに入れない広い空間の中心でひたすら自身を小さく抱きしめ、まるで周りから自分自身を守るような拒絶すら感じる姿。



あまり見たくない姿だな………。


見ると俺を拒絶してるように感じてしまう。



だからといってそのままでは雪姫が風邪をひきかねない。

一言名前を呼べはいつもの雪姫に戻るのだが……。



旅行中でもなければ知らなかった雪姫の一面だ。



さすがにすぐには声を掛けづらくて、少し見守ったが雪姫は微動だにしない。

寝ているのか?

だとしたら本当に風邪をひくかもしれない。

リビングの隅に置いてあるひざ掛けをそっと掴んでから雪姫に声をかけた。



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