きみは俺だけの彼女


「まぁ、だからさ、雪姫は産まれた時から、親達と陸人と海人と俺のお姫様なんだよ。
別に親にそう言われたわけじゃないけど、気付いたら当たり前にそうなってたんだよ。
だから親は俺ら3兄弟の誰が選ばれるのか、余所の男に取られないようにと空手とか色々やらされた訳さ」

「……随分と壮大な計画だな」


親達の思惑に3人が少し気の毒に思えた。


「まぁ、楽しかったし雪姫の為と思った訳でもないからね。
ちなみに言っておくけど、親達は陸人が第一候補だからな」



……マジか……。



「前に俺より面倒な奴がいると言ったよな?」

「……陸人さんの事かとは思っていたが…」

「あの陸人が唯一溺愛してるんだぜ?まぁでも、陸人は雪姫を気持ちを尊重してるからな。結局は雪姫次第なんだよ」

「だから社交辞令でなく、俺に連絡してきたのか……」


先日、陸人さんに会った後すぐに連絡が来た。


「俺だけでなく陸人にも気をつけろよ」

ニヤリと笑う空人。

「やっぱりお前も入ってるんだな」

「俺もだけどお嬢もいるからな?」

「……」


奏波嬢も姫を守る盾なのか。

わかっていたが無意識に陸人さんを除外していた自分の考えの甘さを痛感した。



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