きみは俺だけの彼女
気付くとリビングにいた。
無意識にソファを見る。
無人のソファを見た時、どこからか話し声が聞こえた。
声の方を見れば暖炉の前に雪姫がいた。
自然と身体が動く。
近付いて声をかければ俺の方を見て微笑む顔。
その顔を見ただけで、さっきまでの凍てついた心が温まった。
雪姫はお姫様。
確かにそうだな。
あの奏波嬢が膝をついて雪姫の髪を梳く。
姫の身支度を調える侍女のようだ。
雪姫の為なら何でも用意する侍女長か。
そこに現れたのは………
空人が横から来て雪姫を抱きあげた。
幼馴染みのフリをして雪姫を見護る隣国の王子様……か。
騎士には手の届かないお姫様ーーー