きみは俺だけの彼女
無造作に荷物をまとめながら聞いた。
「なぁ、今まで雪姫に近付こうとした奴ってどうしてたんだ?」
「……さぁね。気にしたことなかったな。俺は上の二人に報告するだけだったからな。……どうしてたんだろうな?」
本当にそんな奴等のことなど気にもかけたこと無いようだ。
「俺は命拾いしたわけか……」
いきなり3兄弟が相手じゃ分が悪すぎる。
とはいえ、斬られるのが先延ばしになっただけだ。
最近の俺は雪姫に振り回されっぱなし。
雪姫を好きになっただけでこんなに振り回されるとは思ってもみなかった。
さっさと斬られたほうが良かったのかもな。
自然とため息が洩れる。
「………正騎、お前、雪姫に言うのか?」
先に荷物を肩にかけた空人が部屋のドアを開けながら背中越しに問いかける。
「………さぁな。どうするんだろうな?」
俺もどうしたらいいのか分からなくなった。