きみは俺だけの彼女
賽は投げられた。
昨夜のビリヤードでの4人が嘘のようだ。
牧場のオーナーに別れを告げて車に乗り込む4人。
俺も 空人も 雪姫も 奏波嬢までも
誰も何も言わない。
バックミラー越しに俺等を心配そうにチラリと見る運転手には悪いが、この空気を読んで声を出す気すら起こせなかった。
別荘の部屋を出てから、俺と空人はずっと話してない。
険悪とは違う。
互いに想うところがあっての無言。
奏波嬢は敏感に察知したのか、俺らに文句を言うでもなく、静観を決めこんでいる。
雪姫は自分の世界にいるかのようだ。
そんな4人の沈黙も、昨夜のビリヤードのお陰で早々に寝息に変わった。