きみは俺だけの彼女
「それで、雪姫は大丈夫なのか?」
俺も引くに引けなくなったこの状況に早く決着をつけたくなった。
「熱は下がれば大丈夫だろ」
「……風邪ではないってことか?」
「咳やくしゃみとかは無かった。うちの母親も多分疲れたんだろうって言ってたよ」
心労か……。
やっぱり俺のせいなのか?
そんな言い方に聞こえたから気になった。
「熱は?他に何が?」
「熱は大丈夫だろ。でも昨日聞いただろ?あの陸人さえ凍りついた言葉」
海人の彼女役か……。
「正騎。俺も陸人も雪姫の彼氏になる男が正騎なら任せられると思ってる」
空人の言い方が可笑しくて思わず飲んでいたアイスコーヒーで咽そうになった。
「任せるって、昭和のオヤジかよ?」
笑いながら誤魔化したが空人の顔からは冗談の影すらなかった。
「って、陸人さんにも俺は認められてるのか?」
「多分な。でなきゃあの陸人が、俺か正騎かなんて言わないだろ。
………でも、海人はダメだ」