きみは俺だけの彼女
校門近くまで来ていた俺らを置いて、雪姫は一人で走りだした。
その姿を見送ると、俺と空人は同時にため息を吐いた。
「……マジでお前らどうしたんだ?」
佐藤の声に空人が少し苛ついて問い返す。
「お前こそ、なんで朝からあんな話したんだよ」
「昨日、海人に嶋村の事で呼び出されたんだよ。だから、嶋村と斎藤は付き合ってると言っておいたからな」
俺の肩をぽんと叩いた佐藤は晴れやかな笑顔で言った。
俺と空人は目を丸くした。
「最近、海人の斎藤への執着はちょっとヤバ過ぎるからな。お前、海人に気をつけろよ」
「……さすが陸人レベル」
空人がぼそっと呟いた。
「え?マジで俺、陸人さんの域に達した??」
「そこまでは言ってない」