きみは俺だけの彼女
スマホを握りしめた雪姫の手を取る。
軽く引いて俺は壁を背にしてよりかかる。
そのまま雪姫を後ろから抱きしめた。
「え?し、嶋村くん!?」
照れて慌てる雪姫の肩越しにスマホを覗き込む。
「これなら寒くないだろ?メール見せて」
「あ、うん」
顔を赤く染めながらスマホを操作する雪姫が素直で可愛い……。
「………明日…」
メールを見て呟く雪姫。
やっぱりか。
このタイミングで連絡してくるのだから雪姫の誕生日だとは思ったが……。
メールには、明日の空いてる時間に会って誕生日プレゼントを渡したい、と書いてある。
「雪姫、お願いがあるんだけど」
「な、何?」
「"奏波がお祝いしてくれるから何時になるかわからない。明日また連絡する"って打ってくれる?」
俺の言葉を聞いた雪姫はちょっと考えてから「うん」と納得して返事を打った。
送信を押すと1分と待たずに海人から「わかった」と返ってきた。
それを見てから俺は雪姫の肩に頭を乗せた。