きみは俺だけの彼女
俺は雪姫の手を繋いで歩きながら空人に電話した。
雪姫の家に入ろうとした時には空人がラップをかけた皿を持って合流した。
初めて入る雪姫の家に少し緊張はあったが、空人のまるで我が家のような行動を見て緊張はすぐに消し飛んだ。
「正騎、ようこそ雪姫姫のお城へ」
そうからかったかと思ったら当然のように雪姫とリビングに行ってそのままキッチンで雪姫と話している。
俺はリビングの隅に荷物を置くと空人に声をかけられた。
「正騎、こっちの椅子に座って」
空人が指差したのはキッチンカウンターにくっつけたダイニングテーブル。
そこには空人の母親が用意したであろう二人分の夕飯が用意されていた。
思わず躊躇しているとキッチンから皿とお茶のペットボトルを持ってきた空人が促す。
「正騎はそこ、雪姫の隣座って」
そう言いながら空人は皿の並んだ席に着く。
雪姫がカウンターにグラスを並べると空人がお茶を注いで俺に渡しながら話し出す。