きみは俺だけの彼女

「そ、それなんだけど」


俺の分の料理を持ってきた雪姫が皿を置いて椅子に座った。

食べながら話そう、と言うので俺は遠慮なく雪姫が俺に作ってくれた卵焼きに手をつけた。



「明日の夕飯なんだけど、嶋村くんと奏波も空人の家で食べたらダメかな?」



雪姫の言葉に俺も空人も箸を止めた。



「………それは全然平気だと思うけど、なんで?」

空人が再び箸をすすめながら聞く。

「その……私、その時に皆に嶋村くんと付き合ってるって言いたい、かなと思って」



………なるほど。

海人と時間を作るより、皆んなが集まる時間を利用して先手を打つのか。



「あ、の、薫さんに嶋村くんを連れてきてって言われたし、喫茶店でお祝いしてから夕飯だと食べられそうもないし……」


「あ〜なるほど。喫茶店をキャンセルしてその分うちで皆んなでお祝いってことか」


「うん。………でも嶋村くんはうちのお父さんが来たら嫌かな?って思って……」



俺にとって良くない事とはそういう事か。

ならば即答できる。



「俺なら構わないよ。いつかは会うつもりだったし」

俺が返事すると雪姫は破顔した。


「ありがとう嶋村くん」


< 238 / 263 >

この作品をシェア

pagetop