きみは俺だけの彼女


「……いつ以来かな〜?雪姫がこんなに泣くのは」


私に問いかけるでもなく
懐かしむような声で話し出す。



「確か、雪姫が中学入ってすぐの時かな?あの時は悔しくて泣いてたよね」

…確かにそうだった…


「小学生の時もそうだったな。雪姫は好きな事を邪魔されると泣いてたよね」

…そう、かも…


昔から3兄弟と一緒にいたから他の女子に嫌がらせされた事が数え切れない程あった。

慣れじゃないけど普段はそんなに落ち込んで泣いたりしなかった。



ただ、私が楽しみにしてたことや好きな事を邪魔されると泣いていた。

悔し泣き。




今は……?



私、悔しいの?



好きな事を邪魔されて……?



嶋村くんを想ってることを邪魔されて……?



違う。邪魔なのは私。

奏波と嶋村くんが付き合うようになれば私が邪魔者だ。


それでも、私は奏波が邪魔なの?

私は奏波をそんな風に思ってるの?



違う。


奏波は優しい。
嶋村くんも優しい。



その二人が幸せになるなら……。



そっか。悔しいんだ。



いつか嶋村くんに彼女が出来る。



それを見たくなかったのに……。




そのうち、奏波を見たくなくなるの?




今度は好きな二人から離れるの……?


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