きみは俺だけの彼女
金曜日。
きっと斎藤も来るだろうと思ったから空人の誘いに乗った。
それ自体は後悔していない。
仮に斎藤が来ないとしたらこの計画も流れると思ったからだ。
そして予定してた旅行の前日の朝。
下駄箱で空人が待ち構えてた。
「明日は予定通り時間厳守で。
雪姫は30分遅く来るけどね」
「……?なんで俺らは早目に行くんだ?」
やっぱり斎藤が来るんだな。
空人と古谷が立てた計画は詳しく聞いていなかった。
日付、待ち合わせ場所、待ち合わせ時間しか聞いてない。
それも他言無用で、と。
誰を誘ったのかもわからないから大人しく従ったが、流石に前日となれば聞いても平気だろう。
「雪姫はいつも待ち合わせ時間より早く来ちゃうから。
その前に全員揃ってないと当日に計画が流れる可能性もあるので」
「……?」
いまいち納得出来ない理由だが、とりあえず言う通りにしよう。
「で、全員って何人来るんだ?」
「あ、それよりも正騎の連絡先教えて。変更あっても連絡出来ない」
「あーそうだったな」
その場ですぐスマホを出して登録した時にチャイムが鳴った。
「じゃあ、明日遅れないでよ。変更あれば連絡するから」
そう言って空人は自分の教室に帰った。