きみは俺だけの彼女
そんなことを考えてるうちに、古谷達と少し離れて馬がゆったりと歩いていた。
……俺と二人きりになったら雪姫はどう反応するかな?
そう思った時には馬を止めていた。
……いつ気付く?
……気付いたら軽く駆けて……。
駆け出したら危ないか?
いや、俺が支えれば……。
………抱きしめて駆けたら?
雪姫は……?
思わず目の前の雪姫の後頭部を見つめる。
ーー俺の存在に気付いてほしいーー
そう願った時、振り向いた雪姫の瞳が見えた。
目が合った。
瞬時に気持ちが先走る。
わざと耳元で声をかけ、思い切り抱き締めて馬を駆け出した。
空人らの側に着いても腕を軽く支えたままにした。
古谷は俺を睨みつけ、空人は雪姫に声をかける。
後ろから覗き見ると、顔を真っ赤にした雪姫がいた。
思わず口元が緩む。