きみは俺だけの彼女
「正騎って、雪姫のこと好きなの?」
牧場から別荘に着いて、すぐ部屋のシャワーを浴びた。
今日一日の出来事を思い返し、ベランダに面した部屋のソファで寛いでいたら風呂から戻ってきた空人に聞かれた。
「……だったら何?邪魔すんの?」
「あれ?俺、邪魔したことある?」
「……」
「まぁ、変な男だったら雪姫に近づくことすら許さないけどね」
楽しそうに笑いながら不敵なことを言う。
そういえば以前、空人は俺を認めたと言った。
一緒に旅行に誘うくらいに。
「……お前って、チャラそうだけど食えない奴だな」
「正騎は一見無害そうなのに食えない奴だよね」
ニヤリと笑う空人の顔は見覚えがある。
「……でも言っておくけど、安心しないほうがいいよ?俺より面倒な奴がいるからね」
「……分かってるよ」