きみは俺だけの彼女



「……俺さ、前から正騎のこと気になってたんだよね〜」

「………。
偶然だな。俺もお前が気になってたよ」


コイツの含みのある話し方を理解したら妙に楽しくなってきた。



「ぷはっ!マジで〜?いつから?」

「俺が中2の時から、だな」

初めて雪姫の噂話を聞いた時からだ。



「やっぱ正騎は食えないなぁ〜。
俺も中2になる前からだよ」

お互い会ったことすらない時期。



「……陸人さんに俺の事聞いたのか?」

「そうだよ。名前だけね。
……ずっと弓道やってた雪姫が突然辞めたら気になるだろう?」



その一言でハッとした。


「まさか……辞めた理由、俺なのか?」

「流石にそこまでは俺も知らないよ。
……でも俺は正騎に何かされたのかと疑ったんだよね」



……俺が?何かしたか?


何か雪姫が嫌がるようなこと言ったのか?
だから陸人さんは俺に理由を言えなかったのか?



だから高校でも俺を避けていたのか……?

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