きみは俺だけの彼女
空人と嶋村くんが玄関に続くドアから現れた。
「……おはよう。どこか行ってたの?」
「正騎と走ってきた」
「……そうなんだ」
タオルで汗を拭いながら入ってきた二人。
部屋に入ると上に着ていた薄手のジップアップパーカーを脱ぎだした。
それを何故か見ていられなくて視線を庭に戻す。
「俺、のんびり朝風呂してくるけど正騎は?」
「俺は部屋のシャワーだけでいい」
背中越しに聞こえた二人の会話。
「雪姫〜、着替えたらまた来るね」
「うん、わかった」
二人は私に声掛けて部屋へと戻って行った。
二人がいなくなると、さっきの二人を思い出し何故か顔が熱くなってくる。
見てはイケナイものを見た気分……。
普段は見た事の無い、ランニングウェアを着た二人。
薄手のパーカーの中はもちろんシャツを着ていたけど、ラフなシャツでなく、身体にピッタリとしたウェアは割れた腹筋も浮き彫りにしていた。
二人とも普通に格好いいのに早朝ジョギングなんて……。
帰宅部の二人があんな引き締まった体してるとか……。
いや、二人とも道場通いしてるのは知ってるけど……。
空人もいくら幼馴染みとはいえ、早朝のあんな姿は見たことないから目のやり場に困る……。