きみは俺だけの彼女
「嶋村〜パン買いに行こ〜」
佐藤の声で嶋村くんが立ち上がったのが視界の隅に見えた。
高校に入学してすぐ嶋村くんも同じ高校だと気付いた時はショックだった……。
嶋村くんには、惨めな自分の姿を見られたくなかった……。
2年で同じクラスになったけど私は嶋村くんと一度も話していない。
お互い視線も合わせない。
中学の時、一緒に帰っていたのが嘘のようだ。
「あ、嶋村っ」
目の前の奏波が立ち上がって嶋村くんの方へ行った。
ドキッ
私はいつものように気にしないフリをする。