きみは俺だけの彼女


「で、雪姫と何かあったのか?」

「まぁな……」

コイツにしては珍しく煮え切らない返しだから余程のことなのだろう。



「明日……わからないけど、多分、雪姫は一人で帰ると言い出すかもしれない」

「……お前、何やらかしたんだ?」

「……雪姫に、ブチ切れされた」




……は?



「雪姫が?ってか、そんなの謝れば済むんじゃないのか?」

「……初めてなんだよ。そりゃ幼い頃は怒ったり拗ねたりしてたけど……。
気づいた時にはなんでも我慢して、俺らにも気を使うようになったんだよ」


「……なにを言ったんだ?」

「……言ったというか、聞いたんだ。
今日お前と帰らなかった理由」

「……お前、予想以上にお節介な奴だな」

ということは、俺のせいだということか。
まぁ、俺の家まで来た時点でそうだとは思ったけど。



「……今までは結構上手く雪姫の本音を聞き出せてた、と思ってたんだけどなぁ…。
……いや、本音だからキレたのかな」

「雪姫は……」

なんて言ったんだ?と聞きたかった。
でも聞きたくなくて口を閉じた。

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