きみは俺だけの彼女
「もし…」
「"空人っ!あんた何やってんのよっ!"」
もしもし、と言う間すら惜しいのか、
奏波嬢の怒鳴る声が俺にも聴こえた。
「ちょ…鼓膜破れ…」
「"雪姫が男に絡まれてるのっ!!"」
「!?」
「"今すぐ国道沿いのコンビニ行って!"」
咄嗟に空人のチャリに跨がった。
空人もスマホを持ったまま後ろに乗る。
その間も奏波嬢が「早く!早く!」と急かす。
「お嬢、ちょうど外にいるから今向かってる」
「"早く行けっ!今、雪姫と電話してたら男が雪姫に話し掛けてきたの"」
「分かった。もう少しで着くから。また電話する」