きみは俺だけの彼女
「覚えててくれて良かった。空人にガチギレされたら俺ら明日は学校行けなくなるからな」
「……で、中学の水泳部副部長さんが何でこんなとこで雪姫に話しかけてんだよ」
まだ微妙に納得してない空人が問いかける。
「俺らも声かけるつもり無かったんだよ」
なぁ?と後ろにいたもう一人に問いかけるとそいつが話し出す。
「今、空人が来たら居なくなった。増援が来たと思って諦めたんじゃね?」
「あ、ホントだ。さっきヤバそうな奴が3人居たんだよ。明らかに斎藤狙って見てたから俺らが先に声かけて」
「海人に電話したけどアイツこういう時に限って出ねぇよ」
「………」
海人の同級生らが交互に若干早口で話す雰囲気から、本当にコイツらも少し焦ってたのが目に見えた。
空人もそう感じたからか、何も言えないでいた。