好色歯科医が初めて真剣な恋をしました
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「ねぇ。先生。毒親って知ってる?」

ベッドの中で 真美は言う。

「毒親?最近 よく聞くあれ?」

駿平は 真美を抱き寄せ 背中をなぞる。

「うん。虐待とか 育児放棄とか 過干渉とか。」

「真美の親は 毒親なの?」


「ううん。すごく良い親だよ。親の模範生。教科書みたいな。」

笑顔で答えた真美だけど。

その言葉に隠された棘を 駿平は感じて。

真美の目を じっと見る。


「そうだろう?だから 真美は こんなにいい子なんだ。」

真美の首を 引き寄せ 駿平はキスをする。

そっと目を閉じた 真美の瞼は 微かに震えていた。


駿平にとって 真美は たくさんいる 遊び相手の 1人だったのに。

不思議な愛しさに 包まれて 駿平は 戸惑う。


どうしたんだ……?


初めて感じた 心の動き。

駿平は 戸惑いを隠すように 

何度も 真美にキスを 繰り返した。





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