好色歯科医が初めて真剣な恋をしました
「亜紀子の方は どうなの?最近。」
亜紀子に 見透かされている感じが
居心地悪くて 駿平は 話題を変える。
「そうね。相変わらずよ 私は。真剣な恋がしたいって 思うんだけど。中々 難しいわ。」
「理想が高すぎるんじゃない?亜紀子。」
「まさか。私の希望は 一つだけなのよ。真面目な人…」
「それは 無理だよ。真面目な人は 亜紀子みたいな美人には 近付かないもの。」
「先生。相変わらず 上手いわ。」
「いや 本当だよ?真面目な人って 臆病だから。美人に憧れても 自分からは アプローチしないよ。」
「私 そんなに美人じゃないわ。それに もう27才よ。タイムリミットが 近いのに。」
「焦ることないよ。亜紀子みたいに 聡明な美人には 絶対に 良い縁があるよ。慌てて 安物買い しないことだね。」
亜紀子との食事は 和食が多い。
その日は ゆっくり 天ぷらを食べて。
「最近 亜紀子に プレゼントしてないね。何か 買ってあげよう。」
ショップが並ぶ通路を 歩きながら 駿平が言う。
「駄目よ 先生。私に 贅沢癖 つけないで。」
亜紀子の 軽快な言葉に 駿平は 声を上げて笑う。
「少しくらいは いいだろう。今のうちだよ?真面目な恋人ができたら 亜紀子も 倹約家になるんだろ?」
目についたショップで アクセサリーを選ばせて
駿平は 亜紀子を アパートまで送った。