好色歯科医が初めて真剣な恋をしました

「真美。俺の親のこと 少し話そうか?」

予期せぬ言葉が 自分の口から出て 

言ってしまってから 駿平は慌てる。


「先生のご両親?」

「うん。俺の親 両親とも 歯科医師なんだ。」

「へぇ。お母さんも?先生 歯科医師のサラブレットだね。」

真美の言葉に 駿平は 声を上げて笑う。


「今 実家は 兄貴がやってるけど。俺が 子供の頃は 両親で 歯科医院をやっていてねぇ。」

「代々続く 歯科医院?」

「元々 母方の祖父が開業して。姉妹の長女だった母が 後を継いだわけ。父は 地方の農家出身で。歯科医院を継ぐために 母と結婚したんだ。」

「すごいね。先生は 歯科医になるために 生まれてきたんだね。」

「母は 仕事をしながら 俺達を 歯科医師にしなきゃいけなかったから。結構 大変だったと思うよ。」

真美は 静かに頷いて 駿平の続きを待った。




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