好色歯科医が初めて真剣な恋をしました
「俺の父は 遊び人でさ。しょっちゅう 女遊びをしていたんだ。その度に 家の中が 険悪になるんだ。俺は それがイヤでねぇ。」
「先生も 知っていたの?子供の頃から?」
「子供でも 何となくわかるんだよ。正しく理解したのは 思春期頃だけど。父も 仕事は ちゃんとしてたから。家庭を壊す気は なかったわけで。母は 諦めたんだろうな。」
「今は?お父さんとお母さん どうしているの?」
「さすがに 親父も 年取って。そっちの方の遊びは 止めたみたいだよ。最近は 夫婦仲良いよ。一緒に ゴルフ行ったりして。」
「よかった…」
真美は ホッとした声を出した。
今の両親に 気を配った真美は
駿平の気持ちには 一切 触れなかった。
だから 駿平は 自分から 言ってしまう。
「勝手だよな。今更 普通に 仲良い夫婦になってさ。子供が どれだけ不安だったか。少しは 考えるべきだろう?」
駿平が 苦笑して 真美を見ると
真美は 無言で 俯いていた。
真美の横顔は 翳っていて 駿平を驚かす。
真美は 何かに 苦しんでいる?
真美の力になりたい…
真美を思う 自分の気持ちを
駿平は もう 抑えられなかった。