好色歯科医が初めて真剣な恋をしました
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目黒区の 高層マンション。
上層階の 1人暮らしには 広すぎる部屋。
地下の駐車場から エレベーターに乗って。
駿平の部屋に入ると
真美は 珍しそうに 中を見回す。
「すごい。素敵な部屋。」
「真美も 自分の家だと思って ゆっくりして。」
真美は リビングに入って
「私のアパート 全部でも この部屋より 狭いわ。」
と 驚いた顔で言った。
「食事したら 少し 買い物に行こうか?真美の物が 何もないからね。」
「私 今夜 泊まっていいの?」
「もちろん。今夜だけじゃなくて。ずっと居てほしい。」
「先生 本気で言ってるの?」
「ああ。真美は イヤなの?」
「イヤじゃないけど… 信じられなくて。」
「んっ?俺が 信じられないの?」
「先生がって言うか。ここにいる自分が。」
真美の 控えめな言葉に
駿平は 真美を抱きしめる。
『やっぱり 真美が好きだ…』
腕の中に収まる 真美は あまりに小さくて。
駿平の胸は 甘い熱さで 溢れていた。