好色歯科医が初めて真剣な恋をしました

院長室から 出ようとした駿平は

待合室で話す 真美の声が聞こえて

ドアの中で 立ち止る。


『真美は そんなことを 考えていたのか…』

駿平の胸は 熱い痛みで 息苦しくなった。


駿平もまた 少し 悩んでいたから。


あまりにも 真美が 愛しくて。

もう 誰の手にも 渡したくないけど。


このまま 真美と一緒にいて

いつか 母のように 苦しめてしまったら。


今は 真美以外の女性に 興味なんて ないけど。

以前のように 遊びたくなってしまったら。


そう思うと 駿平は もう一歩が 踏み出せなかった。


『俺が はっきりしないから 真美を 悩ませている。』


今すぐ 部屋を飛び出して 

真美を 抱き締めたい衝動を 

必死で 抑えていながら


駿平は 亜紀子の言葉も 気になっていた。






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