好色歯科医が初めて真剣な恋をしました

「大西先生は 俺と亜紀子のことも 知っていると思うよ。」

駿平の 具体的な言葉に 亜紀子は ハッとした。

「えっ?どうして?」

「俺 遊び人で有名だから。陰で 色々 言われているだろ?スタッフは みんな 俺に喰われてるとか。」

駿平が 下衆な表現をすると 亜紀子と真美は 顔をしかめた。


「俺が 言っているんじゃないよ。そういう風に 言う奴も いるってことだよ。大西先生は それを承知で 亜紀子を誘ったわけだから。こだわってないと思うよ。」

「そうでしょうか?男の人って そんな風に 割り切れるものなの?」

亜紀子は 半信半疑で 駿平を見る。

「何か あったかなって 疑っていても。今 亜紀子は 俺の所で 働いているから。俺も亜紀子も ちゃんと割り切れたって 思っているよ。でなきゃ 一緒に仕事なんて できないだろ?」

駿平は 一度 言葉を切って 真美を見る。

「それに 俺は 今 真美に夢中だから。大西先生が 心配することは ないと思うよ。」

少し照れながら 駿平が言うと 

真美は 恥ずかしそうに 顔を伏せた。


「先生。ご馳走様。」

クスッと笑って 亜紀子は 答えた。




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