好色歯科医が初めて真剣な恋をしました

「あら。可愛いお嬢さん。本当に 駿平でいいの?」

清楚なワンピースを着て 挨拶をする真美に

駿平の母が 困惑した顔で言う。


「いえ。未熟で 頼りないかもしれませんが 宜しくお願い致します。」

真美の そつのない挨拶に 納得した顔で 頷く両親。


「駿平は いつまでも フラフラしてて。中々 身を固めないから。心配していたんだよ。」

父は そう言って 母と 頷き合う。

「誰のせいだよ。」

不貞腐れた顔で 父を見る駿平。

「ハハハッ。」

気持ち良い 笑い声を上げる父に

「笑い事じゃないよ。全く。」

と駿平は 苦笑した。


「俺も 若い頃は 色々あってね。駿平には 随分 苦労かけたから。でも まぁ 結果オーライってことで。今は 落ち着いたから。」

父は 駿平と真美を 交互に見て言う。

「何が 結果オーライだよ。俺の人格を 歪ませておいて。」

いつになく 真顔で言う 駿平に


「そんなに お父さんを 責めないでよ 駿平。お母さんにも 責任があるんだから。」

駿平の両親は 医師らしく ハキハキした 明るい性格で。

駿平から聞いて 真美が 想像していた雰囲気とは 違っていた。


「お母さんまで。なんだよ。子供の頃 あんなに暗かったくせに。」

両親を 責める駿平は いつもより 少し幼くて。

真美は 温かい気持ちで 駿平を 見つめていた。






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