好色歯科医が初めて真剣な恋をしました
アーケードの セレクトショップで
上品な コンサバ系のワンピースを 真美に買って。
早速 着替えた真美と レストランに向かう。
駿平は レストランでも 特別なオーラを放つ。
身に着けているものは カジュアルでも 高級感があり。
長身で 若々しい容姿の 駿平は
今 流行りの 若手実業家とは 雰囲気が違うから。
レストランの人々に チラチラ 見られることも
ホテルのスタッフが 幾分 親し気に 駿平に 対応することも
全部 計算済みで 駿平を 満足させる。
だから 寄り添う女性は 自分に 似合わないといけない。
真美は やや小柄だけど 細身で
整った顔立ちは 年相応に あどけない。
タレントや モデルのような 派手さはないけど。
奥ゆかしい 上品な空気感があって。
駿平といると 名家の令嬢のような 雰囲気を出す。
駿平は 向かい合って座る 真美を見て クスッと笑う。
「先生。何が 可笑しいの?」
真美は 小声で 駿平を咎める。
「いや…真美には 色々な顔があるなって思って。」
駿平の言葉に 真美は 不思議そうに 首を傾げる。
「診察室では 優秀な衛生士。1人で歩いている時は 普通のOL。俺と こういう場所にいると 深窓の令嬢。フフフ…夜は また 別の顔になるし。」
「そうかしら。私は いつも 普通にしているだけよ。」
「それが 真美の魅力だね。真美は 天然の 成り切り体質なんだよ。」
駿平は 誉め言葉のつもりで 言ったけれど。
真美は 不満気に 口を尖らせた。