こちら、陰陽相談所~"妖怪"は目に見えなくてもちゃんと存在するのです☆~
「謎を解くカギは,やっぱりホームページにあるのかな」
思いきって相談所のホームページを開いてみた。――ここに何か秘密があるのか?
見たところ,紫色をベースにした割と普通のホームページのようだ。……が。
「……ん? 何だろコレ?」
美咲の目は,冒頭に書かれた〈代表より〉という文章の一部分に釘付けになっていた。
〈――当事務所は,目に見えないものによる摩訶不思議な現象にお困りの方々に手を差し伸べるべく,開設した「よろず相談所」である。〉 ――
その前には「妖怪」「悪霊」といった禍々しいワードが並んでいるので,それに関する相談を受けているらしいと理解できた。
「う~ん……,よく分かんないなあ」
ホームページの内容が充実していないせいか,そこから得られる情報は少ない。
首を捻りつつ,美咲はPCを閉じた。
――それにしても。
「ホントに偶然なのかな? それとも何かの符合?」
美咲自身は妖怪が視える体質で,転職先として応募したところが妖怪などに困っている人達のための相談所なんて……。
(やっぱりあたし,何らかの見えない力に導かれてる?)
彼女の中に芽生えた疑問は,徐々に確信へと変わりつつあった――。
****
――〈嵯峨野よろず相談所〉は,下町・浅草にあるらしい。
夕方五時少し前。昭和レトロ感漂う町並を美咲はスマホと睨めっこしつつ歩いていた。
「えーっと? 確か住所ではこのあたりのはずなんだけど……」
ふと視線を上げると,そこにある電信柱に張り付けられた町名のプレートが目に留まった。
間違いなく,ここは相談所の近くであるらしい。
美咲はスマホで時刻を確かめた。――あと一〇分ほどで五時になる。
思いきって相談所のホームページを開いてみた。――ここに何か秘密があるのか?
見たところ,紫色をベースにした割と普通のホームページのようだ。……が。
「……ん? 何だろコレ?」
美咲の目は,冒頭に書かれた〈代表より〉という文章の一部分に釘付けになっていた。
〈――当事務所は,目に見えないものによる摩訶不思議な現象にお困りの方々に手を差し伸べるべく,開設した「よろず相談所」である。〉 ――
その前には「妖怪」「悪霊」といった禍々しいワードが並んでいるので,それに関する相談を受けているらしいと理解できた。
「う~ん……,よく分かんないなあ」
ホームページの内容が充実していないせいか,そこから得られる情報は少ない。
首を捻りつつ,美咲はPCを閉じた。
――それにしても。
「ホントに偶然なのかな? それとも何かの符合?」
美咲自身は妖怪が視える体質で,転職先として応募したところが妖怪などに困っている人達のための相談所なんて……。
(やっぱりあたし,何らかの見えない力に導かれてる?)
彼女の中に芽生えた疑問は,徐々に確信へと変わりつつあった――。
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――〈嵯峨野よろず相談所〉は,下町・浅草にあるらしい。
夕方五時少し前。昭和レトロ感漂う町並を美咲はスマホと睨めっこしつつ歩いていた。
「えーっと? 確か住所ではこのあたりのはずなんだけど……」
ふと視線を上げると,そこにある電信柱に張り付けられた町名のプレートが目に留まった。
間違いなく,ここは相談所の近くであるらしい。
美咲はスマホで時刻を確かめた。――あと一〇分ほどで五時になる。