こちら、陰陽相談所~"妖怪"は目に見えなくてもちゃんと存在するのです☆~
"細々と"やっているわりには,この屋敷は大きすぎる気もするが。「相談所」とはそんなに儲かる商売なのだろうか?
(……えっと,インターフォンはどこ?)
自分が到着したことを、中で待っているであろう嵯峨野氏に知らせなければ。――門扉の隅から隅まで見ても,それらしいものは見当たらない。
――と,その時。
『堀田美咲様でいらっしゃいますか?』
屋敷の方から,一人の少年がすぅーっと出てきて美咲に声をかけてきた。
年は十五,六歳くらい。一瞬女子と見間違うほどの中世的な顔立ちと声。それだけなら,嵯峨野氏の親族の子だと思うだけで,別段驚きはしない。
が,彼の服装が何だかおかしい。
"水干"というのか,歴史の資料などでよく見かける平安貴族の少年が身にまとっているような装束なのだ。
(もしかして,この子も普通の人間じゃなかったり……)
先ほど鬼火に案内されたばかりなので,さすがにこれしきのことでは驚かないが……。
「あっ,はい。堀田美咲です。――あの,こちらのスタッフの方ですか?」
(……えっと,インターフォンはどこ?)
自分が到着したことを、中で待っているであろう嵯峨野氏に知らせなければ。――門扉の隅から隅まで見ても,それらしいものは見当たらない。
――と,その時。
『堀田美咲様でいらっしゃいますか?』
屋敷の方から,一人の少年がすぅーっと出てきて美咲に声をかけてきた。
年は十五,六歳くらい。一瞬女子と見間違うほどの中世的な顔立ちと声。それだけなら,嵯峨野氏の親族の子だと思うだけで,別段驚きはしない。
が,彼の服装が何だかおかしい。
"水干"というのか,歴史の資料などでよく見かける平安貴族の少年が身にまとっているような装束なのだ。
(もしかして,この子も普通の人間じゃなかったり……)
先ほど鬼火に案内されたばかりなので,さすがにこれしきのことでは驚かないが……。
「あっ,はい。堀田美咲です。――あの,こちらのスタッフの方ですか?」